再発の可能性があるETS手術より安全

顔の汗もピタリと止まる、ETS手術って何だ?

顔の汗を止めたい方に有効とされる治療法のひとつに、ETS手術があります。この手術は部位ごとの汗と量を支配している3つの交感神経のなかから、部位に応じた交感神経を遮断することで該当する部位から出る汗をシャットアウトしてしまう手術のこと。顔の汗を止める場合は上位である第2交感神経か第3交感神経を遮断することが必要とされています。

 

ETS手術は顔の汗を止める効果が非常に高い反面、代償性発汗のリスクが100%残ってしまうため、患者側は受けるかどうかが悩ましい手術でもありますね。簡単な手術のため成功率が高く、即効性があり、日帰りも可能であるほどの安全性も兼ね備えていることから、顔の汗に悩む方のなかにも、同手術の相談件数が増えているそうです。

 

 

顔の汗対策としてのETS手術と代償性発汗の副作用

 

顔の汗を止めたい方がETS手術を検討する場合に考慮すべき問題は、代償性発汗のリスクです。冒頭でも説明したとおり、顔の汗に関連しているのは第2交感神経と第3交感神経です。どちらかの交感神経をETS手術で遮断してしまえば、顔の汗はほぼ完ぺきに止まりますが、それと引き換えに代償性発汗の副作用があります。

 

代償性発汗とはETS手術を受けると必ず発生するもので、ある部位から出る汗を止めた分、別の部位から出る汗の量が増加することです。顔から出る汗をこの手術によって解決すれば、その反作用で背中の発汗量が一気に増えるかもしれません。手の汗をこの手術によって解決すれば、足の裏の汗が一気に増えるかもしれません。どの部位にどれだけの規模の代償性発汗が起こるかは医者ですら判断できない欠点があります。

 

また、ETS手術による代償性発汗は、遮断する交感神経が上位であればあるほど規模が大きくなり、場合によってはおもらしのようになることもあるため、多汗症の専門医の間では「第2交感神経は遮断するべきではない」と言われています。つまり、顔の汗を解決することと、代償性発汗のリスクを下げることを両立させることを考えるなら、第4交感神経の遮断を選択することになります。しかし、、先ほど説明したとおり、第4の交感神経は顔の汗との関連性が薄いため、これでは顔の汗を止めることはできませんから、必然的に第2交感神経を遮断することになります。

 

結論として、顔の汗はETS手術で治療することはできても、かならず代償性発汗のリスクが伴うということです。ETS手術によって顔の汗の悩みから解放されても、代償性発汗による新たな汗の悩みを抱えることになるなら、別の対策法も検討しておいたほうが良いかもしれませんね。

 

また、ETS手術には顔の汗の悩みが再発するのリスクもあります。これは、手術によって遮断した神経が元の状態に戻り、再び顔から大量の汗が出るようになること。再発率は通常5%と低いのですが、どんなに腕の良い医師が実施しても必ず一定の確率で再発する可能性があることを理解しておくと良いでしょう。ETS手術を受ける病院での症例数を教えてくれる医師、もしくはホームページ上で公開している病院を選ぶことで再発のリスクは減らせるかもしれません。ただし、顔の汗にETS手術は有効な治療策ではないことも理解しておきましょう。